2018年10月にこのブログを開始するにあたって新しくツイッターアカウントを作成しました。
ワードプレスは陸の孤島とよく表現されますが、ブログ初心者はSNSの活用が有効という情報をネットで見つけたためです。
かつて育児専用アカウントを削除したことがあり再度ツイッターを始めることに対しては当初ためらいがありました。
しかし同じ時期にブログを始めたブロガーさんや有名ブロガーさんをフォローしていくうちに多くの方とつながることができました。
多くの方にツイッターで記事を拡散していただいたり感想を伝えていただき、ここまで続けてこられたと思っています。
それでもアカウントを削除することを決めめました。
理由は2つあります。
1つ目の理由は、検索で見に来てくれる人が全体の約8割になったことです。
ブログ開始して数ヶ月はSNSからの訪問がほとんどでしたが、今は検索で訪問してもらえるようになりました。
そして2つ目の理由。
こちらがアカウント削除を決めた大きな理由です。
周囲の目を気にせずに好きなことを書きたいと思ったのです。
SNSでどんどん疲れていくのも最近感じていたため、良い機会だと思いツイッターをやめることにしました。
今回このブログについてとアカウント削除について自分の今の気持ちを書きました。
少し長くなりますが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
私がブログを始めた理由
私がこのワードプレスでブログを始めたのは「好きなことでお金を稼げたら」なんて甘い考えからでした。
これまで10年以上無料ブログで書いていて今もそれは続けています。
だったら広告を貼ってお金をもらえたらいいよね、なんて思ったのです。
ちなみに無料ブログではSEOやPVなどは完全に無視。
・好きなことを書く
・書きたいときに書く
・毎月1つは新しい記事を投稿する
決めているルールはこれだけ。だから続いているんだと思います。
無料ブログを続けている理由についてはこちらの記事に詳しく書きました。
「大切な言葉を残しておきたい」なんてかっこいいことを言っていますが、仕事の悩みや愚痴もたくさん書いています。
20代の頃は「仕事とは」とか「営業とは」みたいな熱いことも語っていて、今読み返すと笑ってしまいます。
実はそのブログは不特定多数に向けたものではなく、リアルの友人向けに書いているのです。
なのでコメントではほとんどの人が私の本名で呼びかけています。(本名ではなく一応ブログ用の名前で開設したんですけどね・・・)
でも私にとってはそのコメント欄も含めて大切な場所になっています。
書くことが「癒し」につながっていた
国語は苦手だし漢字も得意ではありません。それでも昔から文章を書くことは好きでした。
ずっと演劇をやっていたので芸大に進んでシナリオライターになりたいと思ったこともあるくらいです。
自分の好きな「書くこと」でお金がもらえたら最高だなって思っていました。
でも私は、何かを書いてお金をもらうことには向いていないし、むしろそうしてはいけないことに気がつきました。
前から薄々とは感じていたのですがそれが確信に変わったのは、劇作家で演出家の鴻上尚史さんの本で出合った言葉がきっかけでした。
もともと学生時代から第三舞台の芝居が好きでよく観ていたのですが、鴻上さんは公演のたびに「ごあいさつ」という手書きのメッセージを配ります。
「ごあいさつ」をまとめた本が手元にあり久しぶりにそれを開いてみました。
1996年に紀伊国屋ホールで行われた「トランスⅡ」のごあいさつには、「癒し」とか「ワークショップ」について書かれています。
鴻上さんの言葉で「ワークショップ」を説明すると演技のレッスンのことをさします。
ごあいさつの中から印象的なところをいくつか紹介します。
地方自治体や各地の劇場が主催する場合は、学生劇団や社会人劇団の人だけではないので、僕は広く、『素敵な自己表現』という立場でおこないます。
『自己表現』とは、簡単に言えば、思っていることと、やっていることが、よりつながっていることと、僕は思っています。
『鴻上尚史のごあいさつ』トランスⅡごあいさつ より
『ワークショップ』を続けていくと、参加者の顔が、驚くほど変わっていきます。なんだか恥ずかしい言い方ですが、事実ですからしょうがありません。
それは、たぶん、「癒された」んだと思います。
自分の抱えている何かを、ひとつひとつ、ほぐしていくことによって、楽になっていく状態。
『鴻上尚史のごあいさつ』トランスⅡごあいさつ より
これを読んだとき、私にとって「ブログを書くこと」が「自己表現」であり結果として「癒し」につながっていたことに気がつきました。
もともと自分の考えを人に話すことが得意ではありません。そんな私にとって文章を書くことはまさに『素敵な自己表現』でした。
ブログ用のツイッターアカウントの削除理由
ブログ用ツイッターアカウントの削除は、「トランスⅡ」のごあいさつの後半にある以下の部分を読んで決めました。
ワークショップの目的を『素敵な自己表現』から『プロの表現者になる』に変えた途端、幸福な時代は終わります。
(中略)
他人を観客として人前に表現をさらすというレベルになると『癒し』は消え去り、戦いの匂いに満ち満ちるのです。
表現をするとは、なんと残酷なことなのだろうと思います。
『鴻上尚史のごあいさつ』トランスⅡごあいさつ より
もともとはお金のために始めたブログでした。
でもお金を稼ぐことは他のことでもできます。
できれば書くことを「素敵な自己表現」のままにしておきたいと思ったのです。
この10数年間無料ブログの存在で、私は確かに癒されていました。
あの場があったから実現できたこともあります。
正直に言うと「文章を書くこと」が「癒し」でなくなるのがこわくなったのです。
不器用さから選んだ答え
もちろん「自己表現」の場所と「お金を稼ぐ」場所を使い分ければいいのかもしれません。
でもそれができるほど私は器用ではありません。
ツイッターアカウントでブログ更新のお知らせをするたびいつも迷いがありました。
「どんな記事なら読まれるだろう」
「どんな内容なら興味を持ってもらえるだろう」
SNSの向こう側の反応をいつも気にしていました。
みんなに好かれることは無理というのはわかっています。
でも嫌われることがいつもこわくて不安で仕方なかったのです。
たくさんの「ブログ論」を目にしてどんどん疲れていく中で、自分なりにこのブログとのつき合いかたを模索していました。
そして決めたこと。
「ブログはこれからも『素敵な自己表現』の場所にしたい」ということです。
これからは今まで以上に好きなことを好きなように書いていくつもりです。
収益やPVを気にしないと言ったら嘘になります。だってサーバー代くらいは入ってほしいですから。
これからはたまに気になるブログがあれば参考にしつつ、のんびり更新していくつもりです。
さいごに
ツイッターで知り合ったブロガーさんへ
いつも「いいね」をくれたりリツイートしてくれたり、コメントをくださったみなさんには本当に感謝しています。
とても大きな励みになりました。
私のブログとあなたのブログが存在する限り、またどこかで交流できると思います。
ネットの世界で私のブログを見つけてくださりありがとうございました。
最後に私の好きなブログの話をしておわりにしたいと思います。
私の好きなブログ。
それはある精神科医の先生のブログです。
残念ながら2011年1月に更新がとまっていますが、そのブログはお気に入りに入れてたびたび過去の記事を読み返しています。
精神医学や心理学など専門的なことを話題にした記事も多いブログです。
しかし精神科医としての葛藤や患者さんへの想いなどもストレートにつづられていて、そこは「素敵な自己表現」の場所でした。
ブログ内に、通院終了する方や精神科の卒業報告する方がたまたま重なったときに書かれた記事がありました。
「僕が心の中で歌っている素敵な曲の紹介です」
そんな言葉で紹介されていた曲が、BUMP OF CHICKENの「同じドアをくぐれたら」でした。
ここでは紹介しませんが良ければ歌詞を検索してみてください。
先生が患者さんへ送ったように、私はツイッターで出会った大好きな人へ送りたいと思います。
本当にありがとうございました。
ではまたいつかどこかで!