副収入としてブログを始めたい。
企画で「ブログを始めた理由を教えてください」という質問をしたところ、この答えが何人かの方からあがりました。
家族のために少しでもブログで収益を得ることは、とても素敵なことだと思います。
では収益のあがらないブログは価値がないのか。
はっきり言って収益だけを目的としているならば、価値はないと思います。
でもブログの価値はそれだけでしょうか。
私は2005年からブログを続けています。無料ブログでスタートして収益は1円もありません。それでもブログを続けています。
収益ゼロのブログを13年間続けて得られたこと。そして私がブログを始めた理由。
「何か表現したい」
「ブログ継続のメリットが知りたい」
そんな人に届けたくて、この記事を書くことにしました。
13年間継続しているブログについて
正確にはブログ開設は2004年1月ですが、継続して記事を更新するようになったのは2005年の4月からです。
ほぼ毎日更新した月もあれば、記事が1、2本のみという月もあります。
これまで更新した記事数は1337。
PVやユーザー数はブログサービスからわかりますが、それはほとんど見ていません。
ただ、個人の想いをつづったものにもかかわらず、毎日誰かしら訪問してくれます。
ブログを継続して得られたこと
文章を書くスピードが早くなった
添削などを受けているわけではないので、文章力はあまりあがっていないと思います。
それでも文章を書くスピードは早くなりました。
仕事で必要な議事録や報告書の作成はそれほど苦になりません。
福祉の仕事をしていたため、記録を書く場面も多数ありましたが、そこでも役に立ちました。
自分の考えを発信する練習になった
これは転職活動で役に立ちました。
転職時に新卒の人たちと同じ試験を受ける機会があり、「○○についてどう考えるか」という課題がありました。
ジャンルを問わず、好きな本や映画、気になったニュースなどについてもブログで書いていたため、試験でもスムーズに書くことができました。
心の不調に敏感になった
ブログでは心の不調についても書いています。
ずっと書き続けることで、無理をしたり、心が疲れるサインを事前に感じやすくなりました。
そんな時は周りへ伝えて、仕事のペースを落としたり、少し休むようにしています。
ブログを始めた理由
1番最初にブログを始めた理由は友人への近況報告のためでした。
社会人2年目に休職することになり、心配してくれる友人がいたので、「なんとか生きている」ということを伝えたくてブログを書いていました。
ブログを続けるうちに、今私が目にして感じたことを残しておきたいと思うようになりました。
誰にでも大切にしたいことや残しておきたいものがあると思います。私の場合はそれが「言葉」でした。
嬉しかったことや楽しかったことはもちろん、自分が落ち込んだ時にかけてもらった言葉。
それを忘れてしまう前に残しておきたいと思ったのです。
暗闇の中にいる時に「大丈夫だよ」とそっと手を差し伸べてくれた人がいます。
うつ病の体験記は、そういう人たちへの感謝の意味をこめて形にしたいと思い、もうひとつのブログの記事を再構成しました。
記憶や言葉にこだわる理由
人の記憶や言葉にこだわる理由は、おそらく大切な人が目の前からいなくなることがこわいからだと思います。
私は12歳の時に、祖父を亡くしています。勤務中に倒れ、そのまま病院で息を引き取りました。
健康診断はいつも異常なし。家族の誰よりも元気な人でした。
前日の夜はいつも通り笑っていて、食卓で漬物を用意していました。いつもなら何も感じない当たり前の光景が、その時は妙に印象に残ったのです。
おじいちゃんっ子だった私は、祖父が亡くなってからの家での記憶がありません。
どんな顔で、どんなことを考え、どんな会話をしていたのか。
中学時代の家庭での記憶が空白なのです。
大人になって、ふとそのことを思い出して医師に打ち明けました。
「辛い過去に蓋をしていたんだよ」
それは一種の防衛本能であると教えられました。
それを聞いて、辛いことは忘れても、幸せだった記憶は残しておきたい、と漠然と思うようになりました。
記憶や言葉にこだわるのはそんな理由で、今も無料ブログを続けているのは残しておきたい言葉がたくさんあるからです。
おそらく祖父からかけてもらった言葉はたくさんあるはずですが、辛い記憶のインパクトが強すぎて思い出せません。
もし中学時代の私がブログに出会っていたら、少しだけ救われていたのかもしれません。
さいごに
ブログを始めた理由とかいろいろ書きましたが、本当は「収益」とか「アクセス数」とかそういったものに疲れていたというのが本音です。
自分が書きたいものはなんだろう。この数週間ずっと考えていました。
ここ数日は自分の好きなことを書いています。そして記事を読んでくれた人から「共感した」という言葉をいただきました。
アクセスや収益はあがらない。それでも私がこのブログを続ける理由は、伝えたいことがあるからです。
もしこれを読んであなたが何かを感じてくれたら嬉しいし、私は「あなたがブログを読んで、何かを感じてくれたという事実」を、13年8ヶ月目に突入したブログに「嬉しかったこと」として記録するでしょう。
では。