心療内科通院歴13年。
症状が落ち着いて通院していない時期もありましたが、その時期を除いても10年以上は通院しています。
過去にはストレスケア病棟での入院歴があり、妊娠安定期まで薬を服用していました。
そんな「うつ」と共に歩んできた私も、今では心療内科受診を終了して、一児の母です。
出産してもうすぐ1年半。産後うつ予防のために気をつけたことを今回はお伝えしたいと思います。
現在、心療内科に通院中で、いつかは母になりたい女性へ送りたい記事です。
大丈夫。私もいろいろあったけれど、今はなんとか母になりました
(なお、私は専門家ではないため、あくまでも体験談になります。妊娠・授乳期の投薬治療等においては、医師や専門家の指示に従うことをおすすめします。)
うつとともに歩んできた13年間
心療内科とのつきあいは社会人1年目にスタートしました。
詳しくは「うつ病だけど妊娠しました」で書いていますが、社会人生活は本当に山あり谷ありの生活でした。
当然、結婚はしたものの、妊娠出産は諦めていました。
仕事を生きがいにして、仕事を通して自分の価値を見出していた私を変えてくれたのは主治医の存在です。先生との出会いがなければ、娘は生まれていなかったかもしれません。
妊娠がわかり報告したときに「人生の転機だね」と穏やかな口調で言ってくれた先生。
安定期に入るまで通院していましたが、「産後うつ」には気をつけるように何度も言われていました。
産後うつ予防のために実践したこと
娘の成長の次に、私の中で大きな課題だった「産後うつ予防」。
育児に必死すぎて「産後うつ」について考える暇もなかったというのが本音ですが、それでも予防を心がけたことは大きな意味があると思っています。
私なりに実践してきた「産後うつ予防」を紹介していきます。
元気なときに使えるサービスを利用する
わが家はいわゆるワンオペ育児。実家は遠方、義実家は車で1時間半ほどの距離ですが高齢のために頼れず。夫の帰宅は毎晩22時以降。(しかも土日も仕事で不在のことも多い)
地元ではないので友人もほとんどいない生活です。(県内に前の職場の同期と専門学校の友人がいるけれど、ほとんどの友人は県外です)
私が倒れたらアウトだ・・・
そんな危機感もあったので、0歳のときにベビーシッターサービスの「KIDS LINE」を利用しました。
これは本当に利用して良かったし、いざというときの安心にもつながりました。
後述しますが、本音を言えば、もっと他のサービス(ファミサポや一時保育など)も元気なうちに利用しておけばよかったです。
KIDS LINEのホームページはこちら
家庭以外の居場所を見つける
24時間赤ちゃんと一緒に生活していると、どれだけ子どもがかわいくてもしんどくなってきます。
少しでも外出できるようになったら、支援センターやママ向けサークルなど外に出る機会を増やすことをおすすめします。
もしなかなか家から出られないようであれば、ネットのつながりでもOKです。
ツイッターではママたちが育児アカウントを作成して、同じような悩みを共有しています。
ハッシュタグを使えば簡単に同じ年齢の子を持つママを見つけられます。例えば「2019年1月生まれの子」であれば、「#2019jan_baby」で検索すると同じ月に生まれた子のママたちが見つかります。
ちなみに私はママ向けサークルも合わず、ツイッターのママアカウントもしっくりこないためにやめてしまい、なんとか見つけた居場所がこのブログを通じてできた仲間でした。
ブロガーさんたちに育児の悩みを聞いてもらったり、励ましてもらったりして何度も助けてもらいました。
いつでも受診できる環境をつくる
出産後は通院していなかったので、少しでも調子が悪くなったときのために受診再開できる環境を作っておくように心がけました。
心の病は再発率の高い病気です。
これまでうつに縁のなかった人でさえ、産後うつになることもあるのです。
心の変化に敏感になりながら、いざというときにすぐに駆け込めるようにしておくと安心感が違います。
もちろんそのためには、預け先の確保なども必要になってきます。動けるうちに使えるサービスは使って親子で慣れておくと安心です。
完璧を目指さない
うつの経験がある人ならば、この言葉は何度も耳にしたのではないでしょうか。
私自身、心療内科通院中に何度も言われてきましたが、これは育児においても一緒です。
毎日、手作りの離乳食じゃなくても子どもは元気に育ちます。疲れたときによく動画を見せていたけれど、発達に何の問題もありません。
育児に正解はないと思います。だって相手をしているのは「人」であり、人それぞれ個性があるからです。
ただ言えることは、お母さんが元気で笑顔でいることが1番だということです。
「今日は疲れてあまり相手ができなかったけれど、明日元気になったらたくさん遊ぼう」
少しだけそう思えるようになりました。仕事をしていたときの私では考えられない変化です。
100点を目指さない生き方は、産後うつ予防に大きく役立ちました。
やっておけば良かったと後から思ったこと
もっと早いうちにやっておけば良かったなと思うこともありました。
サービスをいろいろ使ってみることと、地区の担当保健師さんとのつながりを持っておくことです。
預け先の確保として、「KIDS LINE」は利用しましたが、ファミリーサポートセンターや一時保育も元気なうちに登録してすぐに使えるようにしたほうがいいです。
1つが使えなくても、いくつかの選択肢があれば気持ちが楽になります。
もう1つ早いうちから心がけておけば良かったなと思うことが、保健師さんとのつながりでした。
産後、里帰り出産して自宅に戻ってすぐの頃に、保健師さんが自宅訪問してくださいました。
でもそれっきりで、特に必要を感じていなかったので私から連絡をとることもしていませんでした。
毎日の育児が少し辛くなってきたときに、いざ相談しようとしてもどこに連絡していいかわからず困りました。
「子育て世代包括支援センター」について以前記事で触れましたが、妊娠中から担当者がつく自治体に住んでいる方は、どんどん利用していったほうがいいです。
https://halohaloblog.com/houkatsu/
いくら気をつけてもダメなこともある
今は元気に笑って過ごせていますが、少し前まで心療内科受診を再開しようか悩んでいました。
孤独感が強く、お酒やSNSにのめり込んだ時期があったのです。
「眠れない・涙脆い・動悸がする」
そんな症状も出ていて、再発したかもしれないと思うとさらに苦しくなっていきました。
そこから立ち直れたのは、勇気を出して行った市の育児相談でした。
「これまで1人で頑張ってきたんだね」「頑張り屋さんなんですよ」
その言葉で泣いてしまいました。
娘の人生は娘のもので、私の人生ではない。私の人生も私のもので、娘の人生ではない。
そう思ったら少し楽になりました。
何が正解かわからないけれど、とにかく自分が楽しいと思えることをしようと決めたのです。
「娘のために」「娘が喜ぶことを」その思いでいっぱいだった私が少し変わった瞬間でした。
人と会って話したり、読書したり、音楽を聴いたり。そうして、また本来の自分らしさを取り戻していったのです。
大きな変化があったわけではありません。
ただ自分が今やっていることを認めるようにしていったら、少しずつやりたいことが見えてきて自然に笑えるようになりました。
これから母になる人へ
育児は未知の世界です。周りの言葉で辛くなったり、苦しくなることがあるかもしれません。
でもそれは、あなたがそれだけ目の前のことに真剣に向き合っている証拠です。
その真摯な姿勢を忘れずに、でもときどき大きく深呼吸してくださいね。
「居場所と逃げ場があれば大丈夫」
私はいつもそう言い聞かせています。
さいごに
うつになって良かったと思ったことはありません。知らない方が良かった世界です。
でも1つだけ良かったことと言えば、人の痛みに少しだけ寄り添えるようになったことです。
「うつ病と妊活・妊娠」の話を書いたときに、Twitterでいくつかのコメントをいただきました。
「うつ病で通院中で将来不安だったが、こうして妊娠出産している人がいて勇気づけられた」という声です。
その後の私についてこうして記事にすることで、誰かの背中をそっと押せたら幸せです。
悩むこともあるけれど今は家族や友人たちのおかげで、とても穏やかに暮らしています。
今、通院中だけどいつかは母になりたいあなたへ
私が母親になることを迷っていたとき、そっと背中を押してくれたのは主治医でした。あなたもそういう医師と出会い、明るい未来へつながることを心から願っています。
「大丈夫。うつで悩んだ私も今はなんとか母になりました」