こんにちは、2011年に社会福祉士の資格を取得したヨーコです。
社会福祉士として経験年数は5年半と、まだまだひよこに毛が生えた程度のキャリアですが、実は私が経験してきた仕事内容は幅広いです。
社会福祉士の一般的な仕事内容についての情報は巷に溢れているので、ここでは私が社会福祉士としてやってきた業務内容やその楽しさを伝えていければと思います。
これから社会福祉士を目指す方の参考になれば嬉しいです。
社会福祉士として就職した場所
私が働いていたのは「社会福祉協議会」でいわゆる「社協」と呼ばれる所です。
社協をやめた後は、短期間ではありますが「矯正施設」で非常勤で働いていました。
社協は大雨や地震など自然災害で被災した土地でボランティアセンターを設置することがあるため、名前を聞いたことがある人もいるかと思います。
社協については業務が幅広いため、それについて深く掘り下げて書くとおそらく1つの記事だけでは収まりません。そのため今回は社協の業務には触れず、私が経験した仕事内容のみ紹介していきます。
また矯正施設での業務については、ここでは簡単に触れる程度ですが、もし興味があれば法務省のサイトに掲載されている再犯防止推進計画を読んでいただければと思います。
障害者就労継続支援事業所
私が勤務していた社協では、高齢者や障害者のサービス事業所を運営しており、私が配属になったのもその1つで障害者の「就労継続支援施設」というところで働いていました。
事業所では障がいのある方が軽作業などを行い、働くことを意識できるような活動を行なっています。
就労継続支援事業所での具体的な仕事内容
・作業の指導やアドバイス
・あいさつやマナーなどの生活指導
・個別支援計画作成
・保護者面談
主な業務は上記のことです。これ以外にも毎日ケース記録を記入し、必要に応じて医療機関や他施設との連携も行なっていました。
就労支援事業所では、1人1人「個別支援計画書」を作成します。本人の得意なことや目標を聞きながら、支援計画書を作成します。
具体的には事業所ではクッキー作りを行なっていたため、「クッキー作業を頑張る!」という利用者さんに対しては本人が理解しやすい数値目標などを設定していました。
例えば「1時間で鉄板2枚分のクッキーを作れるようになる」などです。(ざっくりしていますが、実際はもっと本人の特性などに即したものです)
そうすることで本人が理解しやすくなるし、なるべく目標設定→達成→仕事のモチベーションが上がるという流れに持っていけるように心がけていました。
余談ですが、私は主にクッキー作りの指導を担当していたため、食品衛生責任者の資格も持っています。
毎日、何千個というクッキーを焼いていたので、苦手だった料理が好きになりました。
もちろん楽しいことばかりではありません。
生活機能がどんどん落ちてきている利用者さんとそのご家族については、定期的に面談を実施していました。
泣きながらお話をされるご家族も1人や2人ではありません。社会福祉士1年目の私が、自分の無力さを感じる場面は数多くありました。
それでもこの仕事を通じて、「働くことの楽しさを伝えたい」という夢ができました。
いろいろなことに気づかせてくれた利用者さんとそのご家族には感謝しかありません。
障害者就労継続支援施設での勤務は、社会福祉士の資格必須ではありません。
それでも資格を持っていたことで制度などベースとなる知識があったため、他機関との連携はスムーズにできました。
地域包括支援センター

障害者の事業所が楽しく、これからもこの分野でやっていきたい!と思った矢先に突然の異動があり、高齢者の相談窓口「地域包括支援センター」で働くことになりました。
「包括」と呼ばれることが多いですが、地域によって名前は異なります。
(名古屋では「いきいき支援センター」という名前で運営されています)
包括には、保健師・主任介護支援専門員・社会福祉士が配置されており、高齢者の相談窓口としても機能しています。
地域包括支援センターでの具体的な仕事内容
・介護保険に関する相談
・要支援1、2の方のケアプラン(予防プラン)作成
・デイサービスなど関係機関との連絡調整(担当者会議含む)
包括ではそれ以外にも、高齢者の権利擁護や地域ネットワークの構築、ケアマネさんの支援などを行なっていますが、私が担当した主な業務は上記の内容でした。
これまでクッキーを焼いていた私が、突然介護保険の担当になり本当に戸惑いました。
もちろん社会福祉士の試験のために、介護保険については勉強してきています。それでも勉強してから4年もたっていました。
要支援・要介護などの区分を頭に入れることからスタートし、デイサービスやデイケア、ショートステイなどについて1から勉強し直しました。
比較的介護度の軽い要支援1、2の方が、私が担当してすぐの頃に相次いで、要介護認定を受けて居宅のケアマネさんへ引き継ぐことがありました。
ほとんど知らない人のことをケアマネさんへ引き継ぐのは、はっきり言ってキツイです。苦笑
過去の記録と、介護認定の結果を見ながら、なんとか引き継ぎをしていました。(ベテランケアマネさんから情報が少ないとお叱りを受けたことも。利用者さんにも申し訳なかったです。)
包括で予防プランを立てていた時のやりがいと言えば、新しく介護保険を利用する方の希望などを聞きながら1からプランを作ることです。
「人と話すのが好き」
「骨折する前はよく外に出ていた」
「家事ができなくなるから大変」
こういった話を聞きながら、どんなサービスを使えば、この人の生活の質を上げられるかなと考えるのはワクワクします。
ある女性は骨折のため、訪問リハビリとデイサービスを利用することになりました。
数ヶ月後、歩行状態はだいぶ回復し、訪問リハビリは卒業。デイサービスは毎週の楽しみになったと嬉しそうに話してくれました。
機能が落ちてくる方が多い中、こういった声を聞くと励みになります。
矯正施設
いわゆる塀の中のお仕事です。(この仕事をしている社会福祉士はまだ少ないため、具体的な施設名を公開するのは避けたいと思います。)
罪を犯した人の中でも、福祉支援が必要な方がいます。そういった人たちと面談をし、関係機関へつないでいました。
家もお金もない。そして生活能力も低い。それが原因で何度も塀の中へ戻ってきてしまう人がいます。
罪を犯した人間を支援するのは、再犯防止のためでもあります。
これまでの仕事ととは全く異なる世界でしたが、福祉の仕事は本当に幅広く多岐に渡ることを実感しました。
平成28年に「再犯の防止等の推進に関する法律」が成立しました。
矯正施設における社会福祉士の取り組みも「再犯防止推進計画」の中で触れられています。
まとめ
キャリア年数は浅いながらも、良くも悪くも「障がい」「高齢者」「更生保護」とさまざまな業務を経験してきました。
私の経歴からわかる通り、例えば高齢者の介護施設で働いていた人が障がい分野にキャリアチェンジすることは十分可能です。
法律や制度などを新たに覚えなくてはならず大変なことも多いですが、「人」を相手にすることに変わりはありません。
社会福祉士として大切にしていきたい軸さえしっかりしていれば、どんな分野であってもやっていけるはずです。
福祉の仕事は、大変だしきついというイメージがありますが、やりがいがあるし楽しい仕事だと私は思います。
これから、社会福祉士っていいよね!と言える仲間が1人でも増えてくれたら嬉しいです。
では。